6月15日(土) にサントリーホールで開催された『アンサンブル・ラロ 結成15周年 ピアノ四重奏』のコンサートに行ってきました。
このコンサートは今年9年目開催の「チェンバーミュージック・ガーデン」という16日間にもおよぶ長期の室内楽フェスティバルのプログラムの一つとして開催されました。
『アンサンブル・ラロ』はピアノ四重奏集団
今年3月に アンサンブル ラロの演奏を初めて聴いて、その素晴らしさにビックリ! 是非また生演奏を聴きたいと思っていたら、再びお誘いを受けまして(^^♪
この日を楽しみにしておりました。
出典元:静岡新聞社
アンサンブル ラロのメンバー
・ダイアナ・ケトラー(Pf:ピアノ)
・アレクサンダー・シトコヴェツキー(Vn:ヴァイオリン)
・ラズヴァン・ポポヴィッチ(Va:ヴィオラ)
・ベルンハルト・直樹・ヘーデンボルク(Vc:チェロ)
アンサンブル・ラロの演奏はやっぱり凄い!
今日の演奏曲
・ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 作品60
・ヴァスクス:ピアノ四重奏曲
今回は2曲しか聴けないのかな? 4,500円のチケットだから2曲なのかな?と思っていたら、違いましたねー。
どちらも小曲が集まった組曲で、全体で1時間以上ありました。
どちらも初耳曲で、『ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 作品60』も良かったけれど、『ヴァスクス:ピアノ四重奏曲』というのがとんでもない曲でした。
ヴァスクス:ピアノ四重奏曲
『ヴァスクス:ピアノ四重奏曲』は6曲で構成された組曲で、演奏時間は約40分。
どんな演奏なのかと思えば、
神秘的で情熱的で深淵で、抒情的かつドラマティック。
抑制された人々の静かな激情というか。
計算された美しい不協和音とでもいうのか、不安定な感じが音が心に訴えかけ、魂をグラグラと揺さぶる。かと思えば、美しい旋律。
クラシックでありながら民族音楽っぽい感じもあり。
聴き手をグイグイ弾き込む、旋律と和音。
聞き手は張り詰めた緊張感を抱き、その緊張感で呼吸は浅くなり呼吸音を抑えたくなるほど。
それらを豊かに表現する『アンサンブル・ラロ』がそこにいました。
思わず、深いため息と深呼吸(ふぅ。。。)
それが 40分近く続きました。
そりゃー、もう、いい意味で、とんでもない曲、とんでもない演奏 聞いちゃった!という感じ。
思い出しただけで大興奮!!!
演奏終了後、アンコールに入る直前に、チェロのベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクさんが「演奏家も演奏していて心が揺さぶられる曲で。皆さんも今晩は寝つきが悪くなるかもしれませんが。。。(笑)」とおっしゃって、穏やかに眠れますように、と軽やかなアンコール曲を演奏してくださいました。アリガトウ(^^♪
ラトビア出身の1940年台生まれは情熱的で抒情的!?
今回の2曲目の演奏曲の作曲家である ヴァスクス(ペトリス・ヴァスクス)はラトビア人で現在 御年73歳。ご存命です。
アンサンブル ラロのピアニスト ダイアナ・ケトラーさんの音楽仲間であり、師であるそうです。
ラトビアという国名は私の記憶にも残っています。
ソビエト連邦共和国の崩壊。バルト3国。ソビエト連邦から独立のためにロシア各地で起きた連邦共和国の対立。
当時、連日、ニュースステーションで観てました。
そのうちの一国がラトビア。
ラトビアを調べてみたら、あっちこっちから国を狙われ奪われる歴史がありました。
そのラトビアの出身の音楽家といえば、
・バイオリン奏者のギドン クレーメル(亡命して今はドイツ人)。
・チェロ奏者のミッシャ・マイスキー。
どちらの奏者も、とても情熱的で抒情的な美しい演奏をするお方。
年齢は
・ペトリス・ヴァスクス 73歳
・ギドン・クレーメル 72歳
・ミッシャ・マイスキー 71歳
わぉっ! ほぼ同級生!(^^)
彼らの時代にラトビアを生きた人たちはみんな、こんなにも情熱的で抒情的なのかしらん?
思わず、そんなことを思ったのでした(^^;
学生には格安!アンサンブル ラロのコンサート
アンサンブル ラロのコンサートは、学生料金が設定されています。
それは、若い人に程、良い音楽を聴いてほしいという想いから。
今回も学生料金は1,000円でした。
今回の演奏曲は、小中学生にはヘビーだったと思うけど、音楽好きの高校生や大学生には全然OKだったと思います。
クラシック好きの学生さんに世界の第一線で活躍している演奏家の生演奏を、是非、聞いてほしいなぁと思います。
まぁね、せっかくなんだから、もう少しライトで聞きやすい選曲をしてくださるといいんじゃないかと思いますよ、アンサンブル ラロさん (^^;
次回のアンサンブル ラロの公演はいつ?
調べてみたら、
次回のアンサンブル ラロの公演は来年5月の連休明けに神戸で3公演予定しております。関東での公演予定はしばらくございません。
とのこと。
世界中に個別に活躍するフィールドがあるお忙しい方々が、時間を作って集まって活動しているわけだから仕方がないですね。
でもね、代わりに。
アンサンブル ラロのチェロを担当しているベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクさんとそのご兄弟で構成されている『ヘーデンボルク・トリオ』のコンサートが今年秋に開催されます。
その話は、また別の機会に。。。
ヴァスクス:ピアノ四重奏曲、聴けます!
コンサートの後日、再び『ヴァスクス:ピアノ四重奏曲』が聴きたくて、他の演奏家の演奏でも良いから、と思って探してみたら、なんと、アンサンブル ラロが演奏している 『ヴァスクス:ピアノ四重奏曲』がYoutube に ありました!!
『ヴァスクス:ピアノ四重奏曲』の演奏動画が少なくて探すのに苦労しましたが、聴きあさっていたら見つかりました!
夜寝る前に聴くのは、お勧めしません(^^;
好みがはっきり分かれると思います(^^;
6曲の組曲です。
↑第1曲「前奏曲」 (前半、音が小さめです)
↑第2曲「舞曲」
↑第3曲「劇的な歌」
↑第4曲「バッサカリア風に」
↑第5曲「主な歌」
↑第6曲「後奏曲」
最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。