秩父夜祭御旅所から 秩父神社に向かう前に、ちょっとだけ寄り道したい場所が、2か所あります。
まず 1か所目は、団子坂と団子坂下の踏切です。
団子坂と団子坂下の踏切
団子坂と団子坂下の踏切 の場所
上図の赤色の★印が 団子坂と団子坂下の踏切です。
御旅所(黄色の★印)から秩父神社へ向かう途中にあります。
秩父夜祭の屋台は、団子坂を人力で曳き上げられて 秩父夜祭御旅所に向かいます。
その団子坂の手前には、全国的にも珍しい踏切があります。
どちらも、秩父夜祭大祭の日(つまり12月3日)は 17時30分ごろ ~ 22時30分頃まで 立ち入りできなくなる場所にあるので、今のうちに見学しておきます。
団子坂下の踏切
■架線が取り外せる!秩父鉄道 団子坂下の珍しい踏切
ここが全国的に珍しい 架線が取り外しできる団子坂下の踏切。
御花畑駅の脇にありますが、踏切は駅の両脇にあり、架線が取り外しできるのは、この団子下の踏切だけ。
写真の上半分に空を横切る2本の架線が写っていますが、この架線が取り外せます。
●なぜ、ここだけ架線が取り外せるのか?
秩父夜祭の屋台は、この踏切を渡りこの先にある団子坂を上り、上りきったところにある御旅所に向かいますが、秩父夜祭の屋台は高さ 7m以上あります。
当然、この踏切を渡ろうとすると、この架線に引っかかってしまいます。
で、秩父鉄道さんは 英断してくださいました。
「夜祭の屋台が通る時間帯だけ、電車を止めて、この架線を取り外しましょう!」と。
なので、秩父鉄道は12月3日 20時頃~22時30分頃まで秩父駅~影森駅の間の電車を運休し、代行送迎バスを運行してくれます。
凄い決断ですよねー。
この決断について秩父鉄道には記録が残っていないそうですが、一説によると、1922(大正11)年に架線を引い時からの話だそうです。
もちろん、鉄道会社の観光客目当ての狸の皮算用もあったんでしょうけれど、
元からある文化を優先し、手間を惜しまず、架線を外してくださるなんて、なんてありがたい。
すべて(6台)の屋台が通過し終えたら、架線を付けなおして、電車は運転再開となります。
●架線の取外し作業は見学できる?
その全国的に珍しい架線の取り外し作業は、12月3日 19時48分 御花畑駅発 三峰口行き電車が通過した直後から行われます。
私は鉄道ファンではありませんが、それでも架線取外し作業を見てみたいなぁと思うのですが、まず見ることはできません。
この団子坂の通りは、訳あって、17時30分ごろ~22時30分ごろまで、観光客だけでなく地元民でさえも、厳しく立ち入りを規制されています。だから、近付くことさえも、難しいのです。(訳は後程。。。)
望遠レンズ付きカメラや 望遠鏡があれば、レンズ越しに 御花畑駅の反対側の踏切辺りから見えるかもしれませんが、定かではありません。
●遅刻して、踏切が渡れなかった屋台がある!?
取り外された架線は、22時30分ごろ取り付けられて秩父鉄道は運転再開となるのですが、その時刻までに踏切にたどり着けなかった、屋台が遅刻してしまったことがありました。
2014年、秩父夜祭での出来事です。屋台全体の進みが遅くて、みんなちょっとずつ遅れたんだけど、6台目(最後)の屋台が架線取り付け時刻までに踏切に来れなくて。
秩父鉄道は鉄道利用客のことも考え、止む無く 架線取り付けを実施。
6台目(最後)の屋台は最終電車が通過するまで、踏切手前で足止め状態。
そして、最終電車通過後に再び踏切の架線が取り外されて、6台目(最後)の屋台は深夜0時近くに踏切を通過。
御旅所には、約2時間遅刻して、日付も変わってたけど、無事に到着。
めでたし めでたし、となりました。
お祭り終了後、関係機関から 時間厳守の指導があったようですので(新聞に掲載されてましたね)、今後は遅れることはないですね、きっと (^^;
団子坂は、秩父夜祭の最大の見せ場
■でも、団子坂は 夜祭で最も危険!
坂上と坂下の写真を取るのを忘れてしまいましたが。。。
上の写真の中央に見える小さい坂が、団子坂です。
坂を上り切った上の方には御旅所広場にできた人垣が見えています。
団子坂に行ったら、是非、団子坂を「上って下りて」してみていただきたいと思います。
斜度25度(!?)。距離は短いですが、結構な急坂であることが実感できると思います。
この急坂を、重さ12トン~15トン以上ある屋台を、人力だけで曳き上げていきます。
●なぜ団子坂は危険なの?
屋台は7m以上あります。この急坂を曳き上げる時、傾いたり揺れたりします。
曳き上げるのは大勢の人の力が必要です。そこは狭い道です。
100人以上の曳き手と諸々の夜祭関係者、そして、大勢の観光客。
イザという時の逃げ場がほとんどありません。
実際、昭和40年代には、屋台の曳き手が屋台に轢かれて死亡する事故が2度発生しており、屋台から人が落ちたりなどの事故も過去に発生しているのだそうです。
屋台が傾いたこともあるそうですが、その時には大事には至らなかったようです。
●団子坂と御旅所は 厳しい立ち入り規制
昭和20年代には、御旅所から御花畑駅へ大勢の観光客が向かい、踏切が下りて行き場を失った観光客が圧死する事故も起きています(今よりも観光客が少ない時代の話です)。
という訳で、団子坂から御旅所への一帯は、とても危険な場所なので、事故が起きないようにとの配慮から、秩父夜祭の大祭(12月3日)の 17時30分ごろ~22時30分ごろまで、厳しく立ち入りが規制されます。
駅に行くための横断もできません。
ぐる~っと迂回して、駅まで行くことになります。
休憩場所、お手軽な ベルク前広場
御旅所と団子坂を歩き、ちょっと休憩したくなった時は、ベルク前広場がお勧めです。
上図の緑色の★印が、ベルク前広場です。団子坂から青い線をたどっていくと着きます。
その先、水色の線の先の先に秩父神社があります。
ビールケースをひっくり返しただけの椅子と、木の板を乗せただけのテーブル席ですが、座席数が多いし人の入れ替わりも多いので、ちょっと待って、ちょっと探せば、ほぼ座れます。
ベルクはスーパーマーケット。お店の外でも安いお値段で 温かい飲み物を買えるようにしてくれているので、とってもありがた~い場所なのです。
仮設トイレもたくさんあります。
ベルクの前を通過した先には露店がたくさんありますから、そこで軽食を買い求めて、ここに戻ってきて座って食べるのも、イイですね。
露店は、秩父神社の前までず~っとに続いています。
露店に目移りしているうちに、秩父神社に到着してしまうかも(笑)。
でもね、この通りにある露店は秩父夜祭の露店の一部でしかありません。
露店の出店数は、日本一!って話も耳にしたくらいですから、他にもたくさんあります。
秩父夜祭の露店の話は、また別の機会に。。。
ベルク前広場では、秩父屋台囃子の演奏も聞くことが出来ますし、屋台の曳き子たちが半被(ハッピ)を着て休憩していたり、お祭りムードいっぱいの中、休憩時間を楽しめます。
また、広場の前には、町会の御神輿も展示されています。
この後は、お諏訪様のところによってから、秩父神社に向かいます。。。
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