「国宝 聖林寺十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ」展に行ってきた

上野にある東京国立博物館で開催されている 特別展「国宝 聖林寺十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ」展に行ってきました。

聖林寺 十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ 地下鉄 ポスター

ある日、地下鉄構内を歩いていて、このポスターがちらりと目に入り、目が釘付けになりました。

見たい! 仏像好きではないですが、とにかく 見たい。。。どこで? いつまで?

聖林寺? 三輪山? 奈良のかな?

思わず足を止めて、ポスターを撮影。

6月22日から上野で入場制限をして開催、とのこと。

直ぐにインターネットで予約して、行ってきました。

日本彫刻の最高傑作!聖林寺の十一面観音

聖林寺 十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ main

仏像のことは、よく分かりません。

だけど、この横顔に魅せられて吸い寄せられて、行ってきました。

聖林寺 十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ Title

事前に色々調べてみたら、聖林寺の十一面観音 は、日本彫刻の最高傑作!と呼ばれていることが分かりました。

元々は、奈良県の大神神社(おおみわじんじゃ)内の神宮寺であった大神寺(鎌倉時代以降は大御輪寺(だいごりんじ)に改名)に本尊として祀られていたのだけれど、神仏分離令による廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)を逃れるため、住職や周囲の人たちの手によって、大御輪寺近くの聖林寺(しょうりんじ)へと避難。

1950年(昭和25年)6月の国宝新制度制定後の、第1回の選定で選ばれた国宝仏24のひとつとのこと。

聖林寺 十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ 館内

その十一面観音が、今回初めて奈良県外へお出ましです。もちろん東京初です。

曲線が美しい聖林寺の十一面観音像

今回は、十一面観音の周りが360度ガラス張りで、見れるようになっておりました。

そのお姿の美しいこと。

肩幅広く、胸板厚く、ウエストはくびれ、腰は張り。お顔はキリっと勇ましいようでいて柔らかく。首は太く、指も太いが、指先の形は流れるように美しく柔らかく。

それは、男のようであり、女のようであり。まさに性別不詳。

腕はアンシンメトリーでありながら、シンメトリー。

腕から垂れる布は優美で優雅に流れるように、かつ、重心低く安定感を醸す垂れ下がり方。

ワタクシ、仏像に詳しくありませんがね。

でも、その安定感のある美しさは、素人にも分かる 格別の美しさでした。

仏像マニアの方でしょうか? 何人もの方が小さな双眼鏡を持参して、十一面観音像をしげしげと眺めておりました。その気持ち、わかります。。。

約150年ぶりの再会 果たす

今回は、聖林寺の十一面観音 と一緒に、
・法隆寺の国宝「地蔵菩薩立像」
・正暦寺「日光菩薩立像」「月光菩薩立像」も展示されておりました。

聖林寺 十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ sub※ 左から、「地蔵菩薩立像」、「日光菩薩立像」、「月光菩薩立像」。
※ 写真が小さいのは、御三体から『大写しにしないで』と言われて『このサイズならOK』と言われたからです(悪しからず)。詳細は 公式サイト(中程)をご覧ください。

この三体の仏像も、昔、大神神社で祀られていましたが、神仏分離令で、十一面観音と同様に大神神社からそれぞれ避難して。今回 150年ぶりに東京で再会と相成りました。

「日光菩薩立像」「月光菩薩立像」は、作風が ぱっと見 似ていたけれど、よく見ると違っていて、「片方傷んで、傷んだ方を後から作り直したのかな?」なんてことを思いました。

大神神社には、薬師如来は祀られてなかったのかしらね?

月光菩薩+薬師如来+日光菩薩=薬師三尊、なんて祀り方があって 京都の神護寺はそれなんですけどね。

今回の展示品である 聖林寺の「十一面観音」、法隆寺の国宝「地蔵菩薩立像」、正暦寺の「日光菩薩立像」「月光菩薩立像」は 美術手帳 のサイトでもご覧になれます。

開催概要

会期:2021年6月22日(火)~ 9月12日(日)

開館時間:午前9時30分~午後5時
*入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日(ただし、8月9日(振休)は開館)

チケット販売:販売制限などがありますので、専用サイトをご覧ください。当日券がある場合もあります。それは 公式ツイッター に掲載されています。

あとがき

聖林寺 十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ 地下鉄 ポスター

偶然見かけた「国宝 聖林寺十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ」展のこのポスター。

なんとなく、見えざる者の導きがあったように思えてなりません。

それは、私の過去生に関わること。

ここに書こうとしましたが、長くなりそうなので、別に記事で書くことにします。

話は変わりますが。

博物館を出て、上野の公園の噴水広場にて。

何気ないひと時。親しい人と過ごす 穏やかな時間。

平和であること。幸せであること。

それを感じられている自分に感謝。

今の世の中、不平不満ばかり。我欲ばかり。

周囲に我慢を強いて、自分は羽の伸ばすばかり。

自分を上げるために、他人を落とすことばかり。

一体何がどうなれば、満足できるのでしょうか。

与えることをせず、受け取ることばかりに目が向いている。

目の前には、幸せが満ちている。

それを感じられる心を持ち続けたい。

諸行無常であること。

足るを知る。

それさえ忘れなければ、目の前に、幸せは沢山あるんですけどね。

上野の公園の噴水を見て、そんなことを感じたのでした。

♪ 坂本龍一の
put your hands up(坂本龍一 公式YouTube)

を聴きながら。。。

おしまい。。。

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