5月11日(土)、上野の博物館前広場で行われた『東京シシマイコレクション 2020 プレ』に行ってきました。
実際には行ってきたというより通りすがりで偶然知って立ち止まって、あまりに魅力的なイベントなんで、結局に最初から最後まで 2時間半見続けちゃったという感じです(^^;
『東京シシマイコレクション 2020 プレ』って何?
『東京シシマイコレクション』は、
と、東京文化財団研究所 無形文化遺産部の主催で、2020年に開催されるイベント。
一言でいうと、日本各地の獅子舞が東京に集まり、至近距離で観てさわってかぶって話が聞けるイベント。
で、今日はそのプレイベント(試験的なイベント)として、『東京シシマイコレクション 2020 プレ』を開催なんだそうです。
今日のイベントは、確かに、獅子に触ることも被ることもでき、舞い手の思いを直接聞いて感じることが出来る、温かくもエネルギッシュなイベントでした。
ところで、獅子舞って知ってる?
獅子舞は、
だと思っていたんですが、実は違うらしいのです。
獅子のモデル
日本には数千以上もの獅子舞が伝わると言われ、そのモデルは獅子だけでなく虎や鹿、猫、キリンなど様々な動物がモデルになっているそうなんです。
『獅子』と聞くと、伝説上の生き物なのかな?ライオンを模しているのかな?などと想像してしまいますが、日本では昔「大型の生き物全般」を意味する言葉だったそうです。
獅子舞の発祥
獅子舞の発祥は中国とかインドとか説は色々あるようですが、奈良時代に中国から日本に伝わったようです。
そして、この獅子舞が日本では災難払いや五穀豊穣祈願、祝い事などで舞われ、日本ならではの文化として日本各地で今日まで継がれてきているのだとか。。。
確かに、日本の獅子舞は、横浜中華街などで見かける中国の獅子舞とは全然違いますね。
中国の獅子舞は、モコモコ、ハデハデ、デカデカですから(^^;
東日本大震災から復活して集まった獅子舞たち
今日の演舞者たちは、岩手、宮城、福島の獅子舞保存会の方々。
・岩手県陸前高田市
・宮城県牡鹿郡女川町
・福島県相馬郡
これらの地名は東日本大震災の時に、ニュースなどのメディアで何度も何度も繰り返し流れた被災地の名前。地理音痴な私でも鮮明に耳に焼き付いています。
その東日本大震災の被災生活の中で、獅子舞などの民俗芸能が被災者たちの復興への心の支えとなり勇気となったのだとか。
そして、その獅子舞を舞うことで復興をアピールできたなら。。。
そんな思いを込めて今回、岩手、宮城、福島の獅子たちを主催者がお招きしたんだそうです。
獅子舞に全然興味なかったんですけど、彼らの演舞にはエネルギーがありました。
当初の予定をほったらかして、約2時間半立ちっぱなしで最初から最後まで観賞しちゃったくらい、魅了されました。
では、今日の演舞を順番にご紹介。。。(^^♪
福島県 福田十二神楽
獅子舞といえば、赤い顔に緑の体。
赤顔の獅子が観客の頭をかぷっと甘噛みして、観客にありがたがられて去っていく。。。
そんなイメージしかない私の目の前には、4本の幟と敷き詰められたゴザ。
思い込みによる冷めた気持ちと、予想を裏切る光景に対する興味。
その福田十二神楽の獅子舞は、いい意味で期待を裏切る 楽しい時間でした。
福田十二神楽の演舞
今日、舞う、彼ら。なんかちょっとひ弱に見えるのは気のせい??
まずは、獅子が巫女鈴(みこすず)と祓串(はらえぐし)を持って、ダイナミックな演舞。
舞い手はひ弱そうに見えたけれど、獅子舞は映画のプレデターみたいな強さを感じたのは私だけ?(^^;
そして、獅子は全身 唐草模様の布で体を包み、獅子の一人演舞へ。
さっきの方がかっこ良かったなぁ。。。
こんな感じが続くなら、単調でつまらない。。。(×_×;
そこへ、「だまし」と呼ばれるお面をかぶった道化が登場。
獅子と道化のにらみ合い。。。
軽~い攻防戦の末、制したのは道化。道化は誇らしげ。獅子は道化に服従。。。
道化:どうだ。参ったか!?
道化:へへへっ、イイ子だ♪
道化:捕まえた!
獅子:そうは行くかい!
道化:お、俺の手ぬぐい。。。
道化:やい、手ぬぐい返せ!
道化:ねぇ、手ぬぐい、返してくれない?
道化:ねぇ、お願いだからさぁ。。。
獅子:やなこった!!
道化:どうしたもんかなぁ。。。
道化:そうだ!よし!
道化:よっしゃ!手ぬぐい、取り返したぞ!
獅子:盗ったな!(道化の背中に噛みつく!)
獅子:その手ぬぐい、よこせ!。。。(ガオォーーー!!)
ー
と、まぁ、こんな感じ(^^♪
『福田十二神楽』の演目は、ゆったりとした演舞の中に不意を衝くスピード感あふれる場面もあり、ストーリー性もあり、舞というより神楽。。。!
なるほど! 『福田十二神楽』ってそういうことか!(^^;
この獅子舞は神様に観ていただく獅子舞で、通常、神様と観客の間で演舞するとのこと。
そっか!だから、前半は向こう側ばかり向いて、あまりこっちを向いてくれなかったのね(写真が少ないのもそのせい)。納得。
こちらは、演奏の方々。
神楽としての獅子舞『福田十二神楽』
日本には獅子舞を『神楽』として演じる地域があるそうです。『福田十二神楽(ふくだ じゅうに かぐら)』の獅子舞もその一つ。
福田十二神楽を伝承している福島県相馬郡新地町では、神楽を演じるのは子供たちの役割。
子供たちは7年演じた後、次の世代の師匠として再び7年務めるんだとか。
こちらは福田十二神楽のメンバー。高校生くらいかな?
子供たちの舞といっても、その演舞は力強くてスピーディーで、青年のチカラあふれる演舞でした。乱れたゴザを獅子舞しながら足でさりげなく整えていく場面もあり、それは日ごろの鍛錬と余裕の証。
獅子の耳が微妙に動いたり、頭が小刻みに動いたり。
観ていて、途中から獅子が生き物のように見えたのが舞い手の力量の表れだと思います。
獅子とのふれあいコーナー
獅子舞の演舞が終わるとふれあいコーナーに移動して、観客が触ったり見たり質問することが出来るようになっていました。
「触ってみていいですよ。近くで見てくださいね」と言われても。。。
最初のうちは、みんな遠慮して遠巻きに観賞。
この獅子頭の耳は、上下にパタパタと動くようになっていました。
徐々に遠慮が消えて。観客は色々とリクエスト。
中を覗いてみてみたり、持たせてもらったり。
私も中を撮影させていただきました。獅子頭の丸い穴に向かって伸びている白い紐で耳を動かすようです。
こんな風に、耳を動かして。。。
表情が豊かになります。芸が細かい(^^♪
口の中は開けるとこんな風になっています。口の開け閉めも、手のひらを開いたり握ったりして行うそうです。獅子頭は木でできていて、結構重かったです。
観客の様々なリクエストに快く応じて、様々な質問にも答えてくれていました。
ありがとう(^^)。
以上、福田十二神楽保存会による福田十二神楽の演舞でした。
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記事が長くなってしまったので、今日はここまでにしておきます。
(以下、続きます。)
注)今回は司会者の方が「SNSなどへのアップ、よろしくお願いします」とおっしゃっていたので、なるべく写真加工せずに掲載しています。