映画 『万引き家族』 観てきました

映画 『万引き家族』 、観てきました。

それは、ある家族の 約 1年間を描いたお話。

まるで ドキュメンタリー映画を観ているような映画でした。

映画は、過剰な演出もなく、

日常が淡々と描かれていているのだけれど、

けれど 映画に完全に引き込まれ、あっという間の2時間でした。


(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro   引用元:映画.com

ドキュメンタリーなのか フィクションなのか

出演者の表情や会話が ものすごく自然で

是枝監督作品の特徴であるアドリブなのか 演出なのか

ドキュメンタリーなのか フィクションなのか 分からなくなるぐらい。

一部では 「こんな設定、あり得ない」との批評もあるようですが、

映画なんですから、あり得なくて当たり前。

裏を返せば、「現実と違う!」 と批判したくなるほどに、

ドキュメンタリーっちくで自然な演技が満載の映画

ということだと思います。

安藤サクラ、変化(へんげ)する

ドキュメンタリーと思えてしまうのは、

樹木希林や安藤サクラ、松岡茉優ら、出演女優全員が

すっぴんで出演しているからかもしれません。

そして、安藤サクラ の演技が圧倒的に素晴らしい!

わが家にはテレビがないし、最近 邦画も見ていないから、

安藤サクラのことは全く知りませんでした。

安藤サクラは、奥田英二 と 安藤和津 の二女、とのこと。

言われてみれば、お顔は安藤和津に似ています。

安藤サクラは 両親の両極の特徴を引き継いだ感じで

変化(へんげ)する感じ。

この映画でも、豊かなさまざまな表情を見せていました。

圧倒されました。惚れました。

素晴らしい!この一言に尽きます。

音楽 細野晴臣!?

エンドロールで “音楽  細野晴臣” の文字を見て

「えっ? 映画の中で 音楽 流れてた?

「細野さんの音楽だったの?」

とWのビックリ!!

「映画の音楽は 表立たないくらいがちょうどいい。

戦争のメリークリスマスは映画音楽としては、失敗」。

昔、坂本龍一がそんなようなことを言っていましたが、

確かにそうかもしれなくて、

そういう点では、細野さん 大成功!(笑)

ストーリー(少しだけ ネタばれ)


(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro   引用元:映画.com

『万引き家族』

そのショッキングな題名とは裏腹に、

ポスターは 和やかに笑う家族の集合写真。

家族は、

お婆さん、お母さん、お父さん、お姉ちゃん、息子、娘。

貧しくても、万引きしながら楽しく元気にたくましく生きる家族の話、だと

思っていました。

でも、違いました。

これは、誰一人として 血のつながりがない人たちで構成された

偽りの『家族』のお話でした。

父と息子で万引きを終えた帰り道、2月の寒い夜。

とある家の玄関の前で一人たたずむ、少女に出会い、

自分たち家族の娘として一緒に生活するところから、

ストーリーは始まります。

ストーリーが進むにつれて、

お婆さんが民生委員の前で一人暮らしを装ったり

息子がお父さんとお母さんを「おじさん、おばさん」と呼んだり、

お婆さんがお父さんに「兄さん」と呼んだり、

お婆さんがお母さんに「姉さん、きれいだね」と言ったり、

お婆さんがお母さんに「私があなたを選んだ」と言ったり。

それはまるで、観る者の 洞察力と想像力を試すかのように

不自然な言葉が会話の中に並びます。

映画の中には、過去を回想したり、これまでの経緯を説明する

セリフやシーンは一切なく、

それぞれの関係や背景がまるで謎解きをするかのように

徐々に明らかになっていきます。

その会話の中から浮かび上がる家族の構成は、

血のつながりがない人たちで構成された 偽りの 『家族』

その家族は 古くて狭くて汚れた家で生活し、

収入源は

・お婆さんの年金

・お母さんのパート収入

・お父さんと息子の万引き

そして

・お父さんは働きたくなくて働かない

・子供はある事情で学校に通っていない

それでも仲良く暮らす 偽りの『家族』。

そんな家族が、ある事件でバラバラになり。。。

というのがこの映画のストーリー。

感情に訴えかけるストーリーなのですが、

見ている最中になぜか涙は出ず。

観終わったときには、ものすごくイイ映画を観た気分で

満足満足

潜在意識の何に響いた!?

さて、帰ろう! その前に、トイレへ Go。

個室に入って一人ホッとしたのもつかの間、

涙がポロポロ流れてきて、ああ大変。

なぜかカーテンにしがみついて、オイオイと泣きたい気分。

涙こらえるために、

奥歯噛みしめ、両手握りこぶし作って、個室の外へ。

帰り道や駅のホーム、そして帰宅後も

映画のストーリーを振り返るたびに 涙があふれそうになり、

奥歯噛みしめ、両手握りこぶし作って、うつむき気味。

そんな状況が 1時間以上続きました。

この映画には、

私の潜在意識に響く 『何か』 があったみたいです。

2度、3度。いやもっとかな?

潜在意識の何かが終わるまで

この映画を見なければならない気がします。

心がそれを望んでいる気がします。

多分、きっと、再び観に行きます。

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