秩父夜祭。
それは、秩父神社の妙見菩薩と武甲山の大蛇窪におわす龍神さんが、年に一度、御旅所でデートをする日。
そのデートの為に、秩父神社の神職さんたちが 妙見菩薩をお神輿に乗せて御旅所までお運びするのが、秩父夜祭の例大祭の神事であり、御神幸行列です。
そして、その御神幸行列の後ろを、絢爛豪華ににぎやかに 秩父夜祭の屋台・笠鉾が彩る。
それが、『秩父夜祭』なのですが、この秩父夜祭の御神幸行列には、観光客があまり知らないもう一つの神事が秘められておりました。。。
秩父神社の御田植神事
秩父夜祭に関わるお祭りはいくつかあるのですが、その一つである、御田植祭が4月に秩父神社で行われます。
秩父神社の近くにはもう一つの大きな神社『今宮神社』がありますが、そこには、武甲山の伏流水が湧き出て湛える竜神池があり、西暦100年前後の頃、そこに水神さんを祀ったのが、今宮神社の おおもと と言われているそうです。
秩父神社の御田植祭では、その今宮神社に秩父神社の御神幸行列が向かい、今宮神社の水神(龍神)の御分霊を『水幣(みずぬさ)』として授かり、秩父神社に持ち帰り、秩父神社の鳥居に取り付けた『藁の龍神』の口に水幣を祀り、秩父神社内での御田植神事が始まり、豊作を祈願します。
御田植祭の『藁の龍神』はその後、秩父夜祭の夜まで秩父神社の倉庫で保管されて、秩父夜祭の夜、再登場します。
※ 御田植神事は、毎年4月4日に執り行われます。
秩父夜祭のもう一つの神事
『藁の龍神』は、秩父夜祭の御神幸行列の御一行として、『大榊』の根元に巻き付いて、秩父夜祭の御旅所へと向かいます。
つまり、秩父夜祭は、御田植祭の時に歓迎した水の神『龍神』を、一年の感謝を込めて 武甲山への歓送するお祭りでもあるのです。
このことを、秩父神社の宮司 薗田稔氏は『秩父夜祭』という本の中で、「太古以来の壮大な風土の神祭り」とも「(秩父夜祭の)古層というべき隠れた神聖コード」と表現なさっておられます。
恐らく、秩父神社に妙見菩薩が祀られる前の古来から執り行われている、秩父神社の例大祭の根底に伝わるもの、という意味なのだと思います。
秩父夜祭で『藁の龍神』を見る
何度も見物している、秩父夜祭の御神幸行列ですが、それは夜の神事ですし、御神幸行列が灯りで照らされることもなく、人垣に揉まれながらの見物です。
ついつい 白装束をまとった担ぎ手に担がれている神輿や、平安絵巻を思わせる神職の正装など大きなものに目が奪われ、残念ながら『大榊』には眼中なく 記憶にありません。
コロナ禍の2020年の秩父夜祭は「屋台・笠鉾は出ず、御神幸行列は行われる」ということでしたので、観光客はほとんどおらず、御神幸行列を間近で見られるはず。是非、間近でその姿を見て見たい。
そんな期待を込めて、2020年の秩父夜祭に行ってきました。
あっけない出会い
例年、御神幸行列は18:30頃、秩父神社を出発します。
ですが、今年は特別なスケジュール。18:00に秩父神社を出発です。
その前に、いつも通り、御旅所やお諏訪様にご挨拶。
そして、秩父神社でお参りを済ませて、ふらふらと境内を歩きだすと。
境内の右手に行くと、さりげなく、御神幸行列の他の小道具たちと一緒に、『藁の龍神』が置かれておりました。
神事が始まる前に、日が沈む前に出会えたこと、そして、あまりの無防備な有様に、ワタクシ、発見と同時に、呼吸を忘れ、思わず棒立ち。そして、目がテン。
そして、誰もが気にせず、素通りです。
担ぎ棒の白い袋には、担ぎ手が使う肩当てが入っているそうな。。。
これが『藁の龍神』。
今宵、一年の感謝を込めて、御旅所まで歓送いたします。
『藁の龍神』夜のお姿
間もなく18時。そろそろ、秩父夜祭の御神幸行列が出発します。
秩父神社の鳥居の前には、出発を待つ『大榊』と『藁の龍神』。
拝殿の前では、妙見菩薩は秩父神社の拝殿から旅立ちの準備中。
そして、『藁の龍神』は神社関係者に担がれて、妙見菩薩の先陣を進み、御旅所へ。
この後、武甲山に帰り、来年の春、また、秩父の里へとお越しくださいませ。
以上、間近に見れた 秩父夜祭 御神幸行列『藁の龍神』の歓送でした。
おまけ
実は、3月中旬に入り、新型コロナウィルス感染拡大第一波の最中、「4月5日に今宮神社に来い、4月5日に来い」と毎日毎日で強硬にお誘いがありました。
3月中旬と言えば、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発動が今日か?明日か?と騒がれていた頃です。
不要不急の行動を慎むようにと各地の知事が言っていた頃です。
時期が時期だけに、スピ友に相談したところ「確かに呼ばれているけど、マジで行くの?」「止めておいたら?行かなくても 何も起きないし」と言われ、どうしたものかと、毎日悩んでおりました。
4月5日朝。
「行かなくても、きっと大丈夫。分かっていただける。今日は行かない。」と自分に言い聞かせておりましたら、スピ友から「今、どこにいるの?」「(今宮神社に)連れて来いと言われているから急いで支度して」と連絡があり、急遽、車で行くことになりました。
なぜ、3週間近く前から、4月5日に来いと言われていたのか。
スピ友曰く「(今宮神社の4月4日の)水分神事の翌日に来い、って話だね」と。
「4月4日は人が多いから、だからその翌日に」ということなんだとか。
水分(みくまり)神事とは、今宮神社の水神(龍神)の御分霊を『水幣(みずぬさ)』として、秩父神社の御田植祭の為に授ける神事のこと。
そっか、その水分神事のエネルギーがまだ、今宮神社内に残っていて。
あぁ、なるほど、それで、今宮神社がいつになく親しみやすいエネルギーだったのね。
今になって、それに気づきました。
今宮神社は不快な感じはないけれど、複雑なエネルギーでね。
私には理解不能というか、なんというか、単純明快な場所ではなくて、一言でイイ場所と言えない神社でね。難易度が高い場所なのです。
今回の秩父今宮神社へのご招待は、てっきり、コロナ禍の京都の今宮神社の悪疫退散 御利益 関係かと思っておりました。
そっか秩父神社つながりだったのね。
えっ、違うの? 両方?
今、書いていていたら、「違う。両方」とお言葉がありました。
4月の今宮神社 参拝と、12月の秩父夜祭。
思わぬところで、関係がありました。
この度は、お招き、ありがとうございました(^^♪